第39回 バラツキの評価 | e 東京喰種

機種の荒さに関してリクエストをいただきました。

荒い機種が多くなったと感じている人は多いと思います。
スペックだけ見ると確かに荒そうだし「ラッキートリガー」という考え方が自体が荒さそのものですよね。
とりあえず「e 東京喰種 399ver」でやってみました。
スペックは公式発表だけでは足りないので、巷で認知されているスペックを採用しています。
計算、スペックなど間違いがあれば指摘いただけると嬉しいです。

今回「バラツキ」については計算ではなくシミュレータを作って導出しています。
「e 東京喰種」は意外とシンプルなスペックなので計算でもできるかもしれません。
もし計算で導出できたら追記したいと考えています。

1.e 東京喰種のスペック

【表1】e 東京喰種のスペック

大当たり確率1/199.9
Rush中確率1/95.3
Rush回数130回
アタッカー賞球10カウント15個(2R/10R/20R/40R)
振り分け(ヘソ)2R チャージ(通常)50.0%
10R 通常24.5%
2R Rush0.5%
10R Rush25.0%
振り分け(Rush中)20R Rush97.0%
40R Rush3.0%
40R Rush時+α判定+20R3.0%

公式では図柄揃い確率399.9と書かれていますが、通常時は199.9で抽選しその50%が図柄揃いと解釈しています。

40R Rush時+α判定はRush時に40R引いた時に3%の確率で20R上乗せされる分です。
実践報告などを見ていると上乗せ中に上乗せされたなどの報告もあるようですので、40R引いた時は+α用の抽選を行い、外れる(97%の方を引く)までは繰り返し上乗せされると解釈しています。

2.遷移図

【図1】e 東京喰種の状態遷移図

図中の「Rush」は突入時の獲得ラウンドは含んでいません。

3.準備

【表2】各種計算

Rush突入率\(0.005+0.25\)0.255
Rush継続率 \(1-(1-\dfrac{1}{95.3})^{130}\)0.746
Rush平均継続数(突入時を含まない)\(\dfrac{0.746}{1-0.746}\)2.941回
Rush平均継続数(突入時を含む)\(\dfrac{1}{1-0.746}\)3.941回
Rush 40R時 平均獲得R数\(40+20 \times (\dfrac{0.03}{1-0.03})\)40.619回
Rush時平均獲得R数\(20 \times 0.97+40.619 \times 0.03\)20.619ラウンド
Rush突入後以降の平均獲得R数\(3.941 \times 20.619\)60.630ラウンド
1R出玉\(10\times(15-1)\)140玉

Rush平均継続数の式の根拠などは第26回を参照ください。

4.初当たり時期待総ラウンド数

初当たりで4通りに分かれます。

A 2Rチャージ(2R獲得→終了)
B 10R通常(10R獲得→終了)
C 2R Rush(2R獲得→Rush)
D 10R Rush(10R獲得→Rush)

それぞれの起こる確率に得られる平均ラウンド数をかけて4つ合計すれば「初当たり時期待総ラウンド数 」となります。
そのような計算を表にまとめると次のようになります。

【表3】状態別平均獲得ラウンド数の計算

起こる確率ラウンド数確率×ラウンド数
\(0.5\)\(2\)1.000
\(0.245\)\(10\)2.450
\(0.005\)\(2+60.630\)0.313
\(0.25\)\(10+60.630\)17.658
計(初当たり時期待総ラウンド数)21.421

1ラウンド平均140玉、右打ち中の増減なしとすれば期待出玉は 140×21.421≒2,999玉。
この場合の等価ボーダーは16.66rpkとなります。

5.バラツキの評価(分散と標準偏差)

さて前項まではいつもどおりの計算で、期待出玉がわかりましたので期待値の計算ができるわけです。
が、この期待出玉、期待値は「平均値」です。
平均が同等でもバラツキ方が異なれば印象としても実践的にも「勝ちやすい」「負けやすい」など違いが出ます。
甘デジとフルスペでは甘デジの方が勝ちやすい感じがしますね。

実際は甘デジの方が釘を閉められるケースが多く、ボーダーを大きく超える台はフルスペに比べれば少ないのが実情かと思います。
例えば一日打った場合の期待値が2万の甘デジとフルスペがあればプロはまず間違いなく甘デジを選択すると思いますが、そういう甘デジはほとんど存在しないということです。

荒さ(バラツキ)を評価するには「分散(V)」とか「標準偏差(σ)」を使います。
「平均」は各データを合計して総数で割れば出ますね。
「分散」は各データから「平均」を引いて2乗したものを合計して総数で割ります。
「標準偏差」は「分散」の平方根をとったものです(分散は計算過程でデータを2乗しているのでルートをとることで尺度を合わせています)。
「標準偏差」が大きければそのデータはバラツキが大きいと評価できます。
例えばすべて同じデータなら「標準偏差」は0になります。

「正規分布」であれば平均を中心として「標準偏差(σ)」の6倍(±3σ)の範囲に99.7%が入ります。 「標準偏差(σ)」の4倍(±2σ)の範囲でも95.4%が入ります。

「平均」はデータを集めなくてもスペックから計算で求められることがほとんどです。
一方で「分散」、「標準偏差」を計算で求めるのはなかなか困難な場合が多いのでシミュレーション結果を使って求めたりします。
それではシミュレーション結果を見てみましょう。

6.シミュレーション結果

次のような設定でシミュレーションしました。

スペックは【表1】のとおり
一日2,000回転で10万人

結果は【図2】【図3】の通りです。

【図2】シミュレーション結果

22,263回の40Rのうち647回で+αの上乗せ(2.91%)、さらにそのうちの19件(2.94%)で上乗せ中に上乗せがありました。3連続はありませんでした。
図中の「+α獲得数」は647+19×2=666です。

【図3】e 東京喰種の2,000回転時の総ラウンド数の分布

【図4】初代牙狼の2,000回転時の総当たり回数の分布

牙狼と比較すると東京喰種の方がより左に寄っているようにも見えますが、実際のデータを見てみると

・最初の5本の合計はそれほど差はない(【図5】のオレンジ部分)
・それぞれの平均値および平均値の半分ほどまでの累計でもそれほど差はない(【図5】の緑部分)

と左側への偏り具合もそれほど差はなさそうです。

【図5】分布の序盤のデータ

7.考察

初代牙狼との「荒さ」の比較が目的の一つでした。
初代牙狼のバラツキ具合について記した第22回講座では「総当たり回数」のバラツキを見ています(【図4】も同様)。
初代牙狼は当たった時の出玉が1種類なので「総当たり回数」を調べれば出玉のバラツキがわかります。
一方で e 東京喰種は出玉が複数種類あるので「総獲得ラウンド数」でバラツキをみています。
そこで両者を比較するために両方とも「出玉」に換算します。
初代牙狼の標準偏差を1,600倍(当たり1回平均1,600個)、e 東京喰種の標準偏差を140倍(1ラウンドの出玉140個)します。
その結果は【図2】の右下部分に記載しましたが改めて【表3】にまとめます。

【表3】出玉換算での初代牙狼との比較

e 東京喰種初代牙狼
総ラウンド数の標準偏差(シミュレーション値)160.19
総当たり回数の標準偏差(理論値)13.20
1ラウンドの平均的な出玉(純増)140個
当たり1回の平均的な出玉(純増)1,600個
出玉換算の標準偏差160.19×140=22,42713.20×1,600=21,120

初代牙狼の1,600個の根拠は
15ラウンド×9カウント×(14-1)=1,755個(計算上の純増)
これからこぼれ玉などを155個として1,600個としています。

e 東京喰種が1ラウンド140個取れるかどうか把握していませんが、140個を大幅に超えることはあまり考えられないですし、140個取れないとなれば標準偏差はその分小さくなります。
ですのでこの結果からはe 東京喰種と初代牙狼の荒さは同程度と判断できると思います。

もっと荒いと見込んでいたのですが、これはおそらく2,000回転で取れる初当たり回数が意外と多いからと解釈できます。
初代牙狼は1/397.18ですので2,000回では初当たり5回平均ですが、e 東京喰種は1/199.9ですので(チャージも含めれば)初当たりは平均10回取れます。
さらにRushに入る時のほとんどは10ラウンド獲得しての突入で、1回でも右で引ければ最低でも計30ラウンドとなり、それだけで平均21.4ラウンドを大きく超えます(仮に突入時2ラウンドだったとしても計22ラウンドで平均を超えます)。
そのため10回のうちの何回かRush突入すれば結構挽回できてしまうのだと思われます。

逆に初当たりごとで考えると、Rush非突入が74.5%でRush突入→駆け抜けと合わせると80%くらいは10ラウンド以下であるため、短時間勝負では相当キツイとも言えますね。

2026.08.06 DEM.
twitterはじめました。
先頭に戻る