第6回 やさしい確率講座
ナンバーズ引きずり現象を追え!

今回は確率の計算方法を簡単に解説し、結果的にナンバーズの攻略本などに良く見かける「数字の引きずり」について正しく理解できてしまう、という内容です。

0.はじめに

ナンバーズを目当てにここに来てくださった方のほとんどは、一度は「数字の引きずり」などを用いたナンバーズ予想を見たことがあると思います。
ここではこの理論(?)を否定することを記述しますが、特定の攻略本や予想ホームページを誹謗・中傷するものではありません。
自分なりの考えや、ゲンかつぎで予想・購入した方が楽しいにきまってるからです。
また、極端な考えですが、もしかしたらナンバーズの抽選器(?)に何か癖があって、出目に傾向が出ているのかもしれません。しかし「数学講座」としては、そういう傾向は無視して、あくまでも出目は一様だという立場をとっているだけなのです。
以上をご理解の上どちら様も楽しんで読んで下さい(^^;

1.問1

ナンバーズ3において、前回の各桁の数字のいずれかが今回の抽選で出現する確率を求めよ

確率の問題は、まず問いの意図するところを把握し、それを数学的に簡潔にすることが肝要です。
この問いでは「各桁の数字のいずれか」がポイントになりますが、確率が苦手な方はこれを数学的にどう見れば良いか困ってしまうでしょう。これは「各桁の数字の少なくとも一つ」ということです。
では「少なくとも一つ」とはどういうことでしょうか。前回の数字3つと今回の数字3つとの一致の仕方には次の4通りがあります。

このうち「少なくとも一つ」に該当するのは上の3通りですから、それぞれが起こる確率を計算して合計すれば求める確率が得られます。
しかし、4通りで全てですから、4番目の「全く一致しない」確率(Pと名付けます)を計算して1(=100%)から引けばもっと簡単です。
さあ! Pを求めよう!

2.STEP 1

さて、前回の数字が「333」であった場合と、「279」であった場合とで求める確率は同じでしょうか?
これは違うでしょう。一方は数字が1種類、一方は3種類です。問題は前回の数字が何種類出ているかですから、場合分けすると次のようになります。

  1. 数字が1種類の場合(333など)
  2. 数字が2種類の場合(447など)
  3. 数字が3種類の場合(279など)

確率の問題では場合分けすることがよくありますが、気をつけなければいけないのは、場合そのものの起こる確率が違うということです。下の表を見て下さい。

各場合の起こる確率 各場合の下(もと)で
数字が全く一致しない確率
求める確率P
A×a
+
B×b
+
C×c

これで、Pを計算するためにはA,B,C,a,b,cを計算すれば良いことがわかります(一般にa,b,cのことを「条件付き確率」といいます)。

3.STEP 2

それでは、A,B,Cを求めましょう。
Aは数字が1種類です。この確率は次のように計算します。
百の位の数字は数字十種類のどれでもよいので、10/10
十の位の数字は百の位と同一なので、1/10
一の位の数字も百の位と同一で、1/10、よって

A=(10/10)×(1/10)×(1/10)=0.01

次にBですが、一の位だけが他と異なる場合は、
百の位の数字は数字十種類のどれでもよいので、10/10
十の位は百の位と同一で、1/10
一の位は百の位以外の数字ですから、9/10、よって

(10/10)×(1/10)×(9/10)

さらに、他と異なる数字の桁は一の位だけでなく、十の位と百の位の場合を合わせて3通りありますので、

B=(10/10)×(1/10)×(9/10)×3=0.27

最後にCです。
百の位はAやBと同じで、10/10
十の位は百の位以外の数字ですから、9/10
一の位は百の位と十の位以外の数字ですから、8/10、よって

C=(10/10)×(9/10)×(8/10)=0.72

4.STEP 3

a,b,cを求めましょう。
aは、どの桁にも前回の数字以外の9種類の数字のどれかが出現する確率で、

a=(9/10)3=0.729

bは、どの桁にも前回の数字以外の8種類の数字のどれかが出現する確率で、

b=(8/10)3=0.512

cは、どの桁にも前回の数字以外の7種類の数字のどれかが出現する確率で、

c=(7/10)3=0.343

これでPが計算できます。

P=A×a+B×b+C×c
 =0.01×0.729+0.27×0.512+0.72×0.343
 =0.39249

です。よって求める確率は次のとおりです。

1−P=1−0.39249=0.60751

5.考察

さて、結果の数字をどう思いますか?
何と10回に6回は前回の数字が出現するのです。
実際の抽選結果を調べてみると第269回までに前回の数字が出現しているものは166回あり、

166/269=0.617

で、ほぼ計算値どおりですね。
つまり、別に珍しいことではないのです。これを基に予想するのは例えば、「サイコロの目は1〜4の目が4/6=0.67の確率で出るのでこれに賭けよう」というのに似ています。確率が高いということは目が多いということであって、実際に上のCの場合、該当する目は657通りもあり、それからどう絞り込むかが問題なのです。

これで第6回の内容は終わりです。
次回も今回同様ナンバーズを題材に「やさしい確率講座2」を考えています。

1997 DEM.
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