世にも美しい数学入門
著者 藤原正彦・小川洋子

「博士の愛した数式」の小川洋子さんと、数学者でお茶の水女子大教授の藤原正彦氏との対談です。
数学入門というタイトルには「?」がつきますが、数学の美しさを垣間みることができます。




複雑な世界、単純な法則
著者 マーク・ブキャナン
翻訳 阪本芳久

知人の知人というツテを辿ると世界中の人は平均6人程度の隔たりしかないという。この事実はある実験によって明らかになったが、それは単なる始まりだった。驚くべき事は、様々な世界でこれと同様な「スモールワールド」が存在すること。
脳のニューロンネットワークなどの神経系、食物連鎖などの生態系、インターネット、WWW、河川水系、電力網、航空網・・・そして百万匹もの蛍が同調して明滅する仕組みもこの「スモールワールド」が関与しているという。
共通の設計者などいないはずのこれらのネットワーク(複雑な世界)がほぼ同じ構造(単純な法則)をしていることに驚かされる。




論理思考力トレーニング法—気がつかなかった数字の罠
著者 マリリン・ヴォス・サヴァント
翻訳 東方 雅美

95%の信頼度の麻薬検査がある。仮に人口の5%が麻薬使用者だったとして、誰か適当に選んできて検査したら陽性と出た。その人が本当に麻薬使用者である確率は?
答えは「50%」。世に溢れる統計や確率の話は注意して見ないといけない。そういう事を思い知らせてくれる本です。
かの有名な「モンティ・ホール・ジレンマ」の火元でもある著者。これについてもたっぷり解説されています。




女より男の給料が高いわけ「進化論の現在」
著者 キングズレー・ブラウン
翻訳 竹内久美子

進化論の最先端を紹介する「進化論の現在」シリーズの第2弾。男の給料が女より高いのは本当に男社会に原因があるのだろうか。そうではない。進化の過程で男、女がそれぞれ獲得してきた性質の差こそが要因。男と女の本質的な違いが淡々と明らかにされていく。
フェミニストの人にも是非読んでほしい。




そんなバカな!—遺伝子と神について
著者 竹内久美子

我々の行動を支配しているのは遺伝子である。我々は遺伝子の乗り物(ヴィークル)に過ぎない。遺伝子はヴィークルを次々乗り換え悠久の旅をする。そして生存・繁殖に有利な遺伝子が多くのヴィークルに乗っていることになる。 利己的遺伝子という視点で人間の行動に迫る。
これこそが「進化」の本質——目から鱗、間違いなし!



小さな悪魔の背中の窪み—血液型・病気・恋愛の真実
著者 竹内久美子

血液型とは何の違いなのか。それは自己と他者を区別するための旗印に他ならない。性格とはそもそも何なのか。血液型から推し量れるものなのか。カッコいいとはどういうことなのか。すべて「免疫」に関するおハナシです。
そして免疫と「託卵」の驚くべきアナロジー。
プロローグを読めばタイトルの意味が判ります。



蒲生邸事件
著者 宮部みゆき

辞書かと思うほどの厚さだけど、もう何度読み返したことか。現代から昭和11年へ。二・二六事件前夜の蒲生邸にタイムスリップする孝史。彼の世話をすることになる蒲生邸の女中「ふき」。時代背景のギャップは二人に重くのしかかる。ラストは感動です。
歴史に疎い私でさえ楽しめました。日本SF大賞受賞作。



火車
著者 宮部みゆき

宮部作品、これを読まずして何を読むか。直木賞作品「理由」よりもこれをお勧めします。
徹底的に足取りを消して失踪してしまった彰子——いったい彼女は何者なのか。なぜそこまでして存在を消さねばならないのか。弱さを温かく描写する宮部さんならでは。
山本周五郎賞受賞作。



家族八景
著者 筒井康隆

七瀬3部作の第1弾。
美貌の18歳「火田七瀬」は読心能力を持つ。一ヶ所に留まることで自らの能力を知られることを恐れ、お手伝いさんとして八軒の家庭を転々する。そこで小市民の容赦ないエゴイズムと対峙していく。SFではあるけど、これは見事な深層心理描写。



七瀬ふたたび
著者 筒井康隆

七瀬3部作の第2弾。七瀬はついに自分以外のテレパスと、そしてその後様々な超能力者と巡り会う。予知能力、透視能力、念動力、そして最終的な超能力とでも言うべき時間旅行の能力を持つ者。やがて彼らの命を狙う謎の集団の存在に気づく。異端者として抹殺されてしまうのか...特殊能力者の使命とは、役割とは何なのか。闘う強い七瀬もまた美しい。



エディプスの恋人
著者 筒井康隆

七瀬3部作の最終作。惜しい。続きをまだ読みたい。
高校で事務の仕事に就いた七瀬は、そこに通う少年と恋に落ちてしまう。テレパスであるが故、まともに恋愛できなかった七瀬にとって初めての感情であり、大きく戸惑う。この感情はホンモノなのか。少年は得体の知れない『意志』に守られている。七瀬のこの感情も『意志』に依るものなのか...